Publications by Kyoto University Researchers
言葉と語りえぬもの ベンヤミンの世界像
その死後,すでに60年以上の時を経た現在でも,思考のインスピレーションの源であり,私たちを魅了しつづけるベンヤミン.たんなる言語論にとどまらない,認識論,芸術論などが複雑に織り込まれ,彼の世界像が集約的に表現されている最初期の論考「言語一般および人間の言語について」を詳細に読み解き,その思想的基盤に迫る.
突然だがなぜ私たちは、あの道路を走る物体を「車」と呼ぶのだろう。結局は恐らく、そう呼ぶから呼ぶのだと答えざるを得ないだろう。ということは「車」と呼ばれないこともありうるということだ。つまり「車」という言葉と、それが表す内容とは必然的な結びつきはない。これが一般的な私たちの言語に対する理解だろう。ではゴッホの絵と、その絵が表すゴッホの本質とならばどうだろう。恐らくそれは切っても切り離せないと答えるだろう。
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2017年6月28日(水曜日) - 18:22
京大生による書評第5弾!『ベンヤミン「言語一般および人間の言語について」を読む』をアップしました。