消えたヤマと在日コリアン : 丹波篠山から考える (岩波ブックレット No. 1046)

消えたヤマと在日コリアン

丹波篠山から考える

岩波ブックレット No. 1046

共著
地域研究
歴史
細見和之, 松原薫, 川西なを恵著
細見和之(人間・環境学研究科 / 共著者)
Kazuyuki Hosomi (人間・環境学研究科, 共著者)
出版年月
図書体裁
A5判
出版社
岩波書店
ISBN
9784002710464
定価(税抜)
620
頁数
88
本文言語
日本語

内容紹介

かつて陸軍歩兵第七十連隊が置かれ、戦争の拡大とともに硅石とマンガンの鉱山で栄えた丹波篠山。その歩みは近代日本の縮図そのものだった。しかし、鉱山で働いていた朝鮮人たちのことは、なぜか公的な記録に残されていない。新聞記事や鉱山跡、慰霊碑、民族学校の資料などの調査から、見失われた彼らの足跡を掘り起こす。

ブックレビュー

人は生まれた瞬間に「出生地」を有する。ある者はそこで生涯を終え、ある者は余所へ移って行く。また別の者は余所からそこへ移って来る。畢竟近代以降、「出生地」とは「移動」との力学において考えざるを得ない。加えて当然ながら、ある者にとってそこは「忘れ難き」故郷であり、ある者にとっては「忘れたき」負の記憶の場であることだろう。そして著者の一人である細見が本書で試みたのは故郷の丹波篠山に埋もれた「記憶」を掘り起す作業だった。

図書に貢献している教員