メンタルヘルス時代の精神医学入門 : こころの病の理解と支援

メンタルヘルス時代の精神医学入門

こころの病の理解と支援

編著
心理
松本卓也, 野間俊一編著
松本卓也(人間・環境学研究科 / 編集, 分担執筆), 野間俊一(医学研究科 / 編集, 分担執筆), 諏訪太朗(医学部附属病院 / 分担執筆)
Takuya MATSUMOTO (人間・環境学研究科, 編集, 分担執筆), Shun'ichi Noma (医学研究科, 編集, 分担執筆), Taro Suwa (医学部附属病院, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A5判
出版社
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623090563
定価(税抜)
2,800
頁数
308
本文言語
日本語

内容紹介

メンタルヘルス(こころの健康)が注目される昨今。精神病理学に基づいた精神疾患についての基礎知識・重要トピックをわかりやすく紹介する新テキスト。――本書では、精神病理学を含む精神医学の基本と歴史を押さえ(第?部)、精神疾患について体系的に紹介(第?部)、そして最終部では、傑出人における精神疾患と創造性を題材に精神医学をとらえることを試みる(第?部)。誰しもの身近にある“こころのつらさ”を理解するためのエッセンスが詰まった入門書。京都大学の教養講義を中心に編まれた、「読む 京大・教養講義」第2弾!

目次

まえがき

 第Ⅰ部 精神医学とは何か
第1章 精神医学総論
 1 精神医学とは何か
 2 精神病理学
 3 精神分析(力動精神医学)
 4 精神医学における操作的診断基準
 5 操作的診断基準の実際
 6 操作的診断基準の採用とその科学性

第2章 精神医学の歴史
 1 近代以前
 2 近代の精神医学
 3 現代の精神医学

 第Ⅱ部 精神疾患各論
第3章 統合失調症
 1 統合失調症とは
 2 疫 学
 3 概念の歴史
 4 症候学
 5 経過の多様性と予後
 6 生物学的基盤
 7 治 療

第4章 気分障害
 1 気分障害とは
 2 歴 史
 3 疫 学
 4 気分障害の診断
 5 治 療

第5章 神経症・心身症・パーソナリティ障害
 1 心因とは
 2 病態水準(神経症/精神病圏)という考え方
 3 不安症(不安障害)
 4 強迫症(強迫性障害)
 5 摂食障害
 6 パーソナリティ障害

第6章 心的外傷と解離症
 1 トラウマ体験とは
 2 心的外傷後ストレス障害(PTSD)と急性ストレス障害(ASD)
 3 ヒステリーと解離症
 4 心的外傷と解離症の治療

第7章 認知症・高次脳機能障害
 1 認知症とは
 2 治療により改善する認知機能低下
 3 主な非可逆性の認知症
 4 高次脳機能障害

第8章 発達障害
 1 発達障害とは
 2 自閉スペクトラム症(ASD)
 3 注意欠如・多動症(ADHD)
 4 二次障害・併存症
 5 発達障害と文化

第9章 依存症
 1 依存症(アディクション)とは
 2 依存症からの回復
 3 精神疾患としての依存症の治療
 4 刑事政策における取り組み
 5 国内外の新たな動き
 6 依存者の回復と成長

 第Ⅲ部 創造性と精神病理
第10章 表現と芸術療法Ⅰ――芸術療法,病跡学,アール・ブリュット/アウトサイダー・アート
 1 芸術と癒し,芸術と病理
 2 芸術と癒し
 3 創造と病理
 4 アール・ブリュット/アウトサイダー・アート
 5 結び,孤独と共生

第11章 表現と芸術療法Ⅱ――作品「ねじ式」とつげ義春の病跡
 1 つげ義春の生活歴,病歴
 2 診断について
 3 つげ義春の対人恐怖症克服のための方策
 4 作品「ねじ式」概要
 5 考察――赤面恐怖症克服の方策と「ねじ式」
 6 「ねじ式」のねじの意味

第12章 芸術創造による回復――うつ病の精神分析理論
 1 精神分析とメランコリー
 2 メランコリーの精神分析的研究
 3 メランコリーと創造性――芸術創造による回復
 4 喪失から創造へ

引用文献
あとがき
索  引

図書に貢献している教員