アーキテクチャと法 : 法学のアーキテクチュアルな転回?

アーキテクチャと法

法学のアーキテクチュアルな転回?

編著
法律
松尾陽 編著
稲谷龍彦(法学研究科 / 分担執筆)
Tatsuhiko Inatani (法学研究科, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
四六
出版社
弘文堂
ISBN
9784335356919
定価(税抜)
2,500
頁数
256
本文言語
日本語

内容紹介

「設計」「構築」「技術」の高度化は、法と法学にどのような変化を迫るのか?
情報技術の急速な発展に伴い注目される「アーキテクチャ」論。サイバー・スペースを含む物理的環境のコントロールにより人々の行動を誘導・制御する「アーキテクチャ」は今や日常に溶け込み、自由や選択肢を拡げる一方でデフォルトから逸脱する自由を奪う、いわば「不可視の権力」として問題視されています。
例えば、SNSはコミュニケーションの可能性を拡げる一方で文字数制限等のフォーマットに収まらないコミュニケーションを排除してしまうほか、コピーコントロール技術は法で禁止されていないはずの複製行為をも事実上不可能にしてしまいます。そこで、法は何もできないのでしょうか。法はこのアーキテクチャというものをどのように捉えればよいのでしょうか。
本書は、法と法学がいかにアーキテクチャ(論)を飼い馴らし、人間の自由と創造性に資する形で受容していけるかを、法哲学をはじめ憲法学、民事法学、刑事法学など幅広い視点から考察。AI・ロボット時代の到来を前に、法に関わる全ての人に必読の一冊。

目次

第1章 「法とアーキテクチャ」研究のインターフェース
     ―代替性・正当性・正統性という三つの課題〔松尾 陽〕
第2章 アーキテクチャの設計と自由の再構築〔成原 慧〕
第3章 個人化される環境―「超個人主義」の逆説?〔山本龍彦〕
第4章 技術の道徳化と刑事法規制〔稻谷龍彦〕
第5章 アーキテクチャによる法の私物化と権利の限界
     ―技術的保護手段は複製の自由を侵害するのか〔栗田昌裕〕
第6章 貨幣空間の法とアーキテクチャ〔片桐直人〕
第7章 憲法のアーキテクチャ―憲法を制度設計する〔横大道聡〕
第8章 [座談会]法学におけるアーキテクチャ論の受容と近未来の法
            〔大屋雄裕(ゲスト)・松尾陽・栗田昌裕・成原慧〕

図書に貢献している教員