ジョーン・ロビンソンとケインズ : 最強の女性経済学者はいかにして生まれたか
目次
プロローグ 男性経済学者たちが織りなすコラージュから浮かんでくる女性
ロビンソン夫人に乾杯!/職業的アイデンティティとアカデミックキャリアの形成/ローカル・ヒス
トリーの試みとミクロ的視点/本書が目指す方向性、そして注意点
第1章 理論家らしからぬキャリア
1938年 2月、ケンブリッジにおける念願達成/名声を得る/成功を収める――ケンブリッジの
経済学者になるための方法(1900-30年頃)/男だけの世界/「分析的経済学者」――職業
的アイデンティティの形成(1930-31年)/学界でのキャリア形成の戦略
補 説 ロビンソンとカーン
友情とキャリア形成/親しくなる二人/いつ帰国するの?/過ぎていくだけの時間、1933-37
年/精神疲労で倒れる/説明と再確認/アレクサンダーの死
第2章 『不完全競争の経済学』の誕生
マーシャル・ギルド/対話としての研究/アメリカでのカーンとロビンソン/1930-33年のケン
ブリッジにおける業績主張/「ロビンソン時代」について補足――その家事マネージメント術と金
銭状況について
第3章 ケインジアンになる
パトロンのいない被保護者/ケインズ=ハイエク論争/トランピントン・ストリート学派宣言/党
派主義者/マクミラン社長の評価/ケインズへの接近を模索する/ピグーの『失業の理論』へ
の匿名書評/貨幣理論を学習する/学内政治/『一般理論』の草稿を読む/革命的布教者/
講義リスト論争/あっけのない結末――講師への就任/
エピローグ 「ジョーン・ロビンソンとは何者なのでしょうか?」
歴史叙述における二つの方法/戦略的な賢さ/印象管理術/戦略としての簡単化
2022年のエピローグ
訳者あとがき(安達 貴教)
原注
参考文献
索引