詳解相続法

詳解相続法

単著
法律
潮見佳男(法学研究科 / 著者)
Yoshio Shiomi (法学研究科, 著者)
出版年月
図書体裁
A5
出版社
弘文堂
ISBN
9784335357626
定価(税抜)
4,000
頁数
594
本文言語
日本語

内容紹介

 今年(平成30年)7月6日に相続法改正が成立しました。残存配偶者に対して、それまで住んでいた家の居住権を保護したり、相続人以外の特別寄与者の貢献を考慮したり、自筆証書遺言のやり方が変わったり、と新しい制度がたくさん盛り込まれました。
 法制審議会民法(相続関係)部会委員であった著者が、この新しい相続法について、改正内容も含め、とことん詳しく解説した信頼のおける基本書です。
 相続法が、財産法的色彩の強い分野であるにもかかわらず、財産法の論理との整合性を意識した立論が十分ではなかったことをふまえ、財産法(債権法・物権法)との関係に留意した解説を試みています。
 642の細かく場合分けされた具体的なケースで、最新の相続法の全体像を詳説した、実務にも学習にも役立つ一冊です。

目次

第1章 相続制度
 第1節 法定相続制と,遺言による遺産の処分
 第2節 明治民法との対比
 第3節 「相続による承継」ということの意味

第2章 相続の開始――人の死亡
 第1節 人の死亡の意味
 第2節 認定死亡
 第3節 失踪宣告

第3章 相続人
 第1節 法定相続制と相続人
 第2節 被相続人・相続人の「同時存在の原則」
 第3節 代襲相続
 第4節 相続人の種類
 第5節 共同相続における相続人の地位の確認

第4章 相続資格の具体的確定
 第1節 相続欠格と相続人の廃除
 第2節 相続の放棄と承認

第5章 相続人の不存在
 第1節 相続人不存在制度の存在理由
 第2節 相続財産法人の成立
 第3節 相続人不存在を確定するための手続――相続人の捜索と相続財産法人の清算
 第4節 残余財産の帰属――特別縁故者への相続財産の分与と残余財産の国庫帰属

第6章 相続財産の包括承継
 第1節 相続財産の包括承継
 第2節 帰属上の一身専属権
 第3節 相続を契機とする地位の併存
 第4節 相続財産に属する権利か,受取人固有の権利か?
 第5節 祖先祭具・遺体・遺骨の承継
    
第7章 遺産共有
 第1節 総論
 第2節 遺産共有の二元的構造
 第3節 共有される遺産の管理
 第4節 共有される相続財産と,分割される相続財産
 第5節 遺産確認の訴え

第8章 相続分の確定
 第1節 相続分の種別――概要
 第2節 法定相続分
 第3節 具体的相続分の確定
 第4節 相続分の譲渡ほか

第9章 遺産分割
 第1節 遺産分割の意義
 第2節 遺産分割の対象
 第3節 遺産分割の当事者
 第4節 遺産分割の基準――906条の意味
 第5節 遺産分割の時期
 第6節 遺産分割の方法
 第7節 協議分割
 第8節 遺言による遺産分割方法の指定
 第9節 調停分割・審判分割
 第10節 遺産分割の効果

第10章 配偶者の居住の権利(配偶者短期居住権・配偶者居住権)
 第1節 残存配偶者の居住権を保護する制度の必要性
 第2節 配偶者短期居住権(その1)――居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合(1号配偶者短期居住権)
 第3節 配偶者短期居住権(その2)――それ以外の場合(2号配偶者短期居住権)
 第4節 配偶者居住権
   
第11章 相続人以外の者による貢献の考慮
 第1節 特別寄与者による特別寄与料の請求
 第2節 特別寄与者以外の者による貢献の考慮――内縁配偶者の貢献など

第12章 遺言
 第1節 遺言制度
 第2節 各種の遺言
 第3節 遺言の検認手続と遺言書の開封
 第4節 遺言書の保管
 第5節 遺言執行者
 第6節 遺言の執行に関する費用の負担

第13章 遺贈
 第1節 遺贈の意義
 第2節 特定遺贈と包括遺贈
 第3節 遺贈と条件――条件付遺贈
 第4節 負担付遺贈
 第5節 遺贈の当事者
 第6節 遺贈の承認・放棄
 第7節 遺贈の無効・取消し
 第8節 遺贈と権利変動
 第9節 遺贈利益の実現障害
    
第14章 遺留分
 第1節 遺留分制度の概要
 第2節 遺留分権利者
 第3節 遺留分の割合――2つの意味の遺留分(率)
 第4節 遺留分算定の基礎財産
 第5節 遺留分侵害額請求と金銭給付請求権

第15章 相続回復請求権
 第1節 総論
 第2節 相続回復請求権と消滅時効・除斥期間――884条の2つの期間
 第3節 884条の消滅時効の援用権者
 第4節 表見相続人・第三取得者による取得時効の援用
 第5節 相続回復請求権の行方

事項索引
判例索引

図書に貢献している教員