金・女真の歴史とユーラシア東方 (アジア遊学 233)
目次
序言 古松崇志
関係年表 藤原崇人
金朝皇帝系図・金朝皇帝一覧 武田和哉
第Ⅰ部◎金代の政治・制度・国際関係
金国(女真)の興亡とユーラシア東方情勢 古松崇志
契丹遼の東北経略と「移動宮廷(行朝)」
―勃興期の女真をめぐる東部ユーラシア状勢の一断面 高井康典行
コラム◎「刀伊襲来」事件と東アジア 蓑島栄紀
女真と胡里改―鉄加工技術に見る完顔部と非女真系集団との関係 井黒 忍
女真族の部族社会と金朝官制の歴史的変遷 武田和哉
コラム◎猛安・謀克について 武田和哉
コラム◎金代の契丹人と奚人 吉野正史
十五年も待っていたのだ!―南宋孝宗内禅と対金関係 毛利英介
コラム◎金朝と高麗 豊島悠果
第Ⅱ部◎金代の社会・文化・言語
女真皇帝と華北社会―郊祀覃官からみた金代「皇帝」像 飯山知保
コラム◎元好問―金代文学の集大成者 高橋幸吉
金代の仏教 藤原崇人
コラム◎金代燕京の仏教遺跡探訪記 阿南・ヴァージニア・史代
金代の道教―「新道教」を越えて 松下道信
女真語と女真文字 吉池孝一
コラム◎女真館訳語 更科慎一
第Ⅲ部◎金代の遺跡と文物
金上京の考古学研究 趙永軍(古松崇志・訳)
コラム◎金の中都 渡辺健哉
金代の城郭都市 臼杵勲
コラム◎ロシア沿海地方の女真遺跡 中澤寛将
コラム◎金代の界壕―長城 高橋学而
金代の在地土器と遺跡の諸相 中澤寛将
金代の陶磁器生産と流通 町田吉隆
金代の金属遺物―銅鏡と官印について 高橋学而
第Ⅳ部◎女真から満洲へ
元・明時代の女真(直)とアムール河流域 中村和之
ジュシェンからマンジュへ―明代のマンチュリアと後金国の興起 杉山清彦
コラム◎マンジュ語『金史』の編纂―大金国の記憶とダイチン=グルン 承志
編著者プロフィール
古松崇志(ふるまつ・たかし)
京都大学人文科学研究所准教授。専門は10~13世紀ユーラシア東方史。
主な著書・論文に『中国経済史』(共著、名古屋大学出版会、2013年)、「契丹・宋間の国信使と儀礼」(『東洋史研究』73巻2号、2014年)などがある。
臼杵勲(うすき・いさお)
札幌学院大学教授。専門は北東アジア考古学。
主な著書・論文に『鉄器時代の東北アジア』(同成社、2004年)、『東アジアの中世城郭 女真の山城と平城』(吉川弘文館、2015年)などがある。
藤原崇人(ふじわら・たかと)
龍谷大学文学部准教授。専門は10〜14世紀を中心とする中国および北アジアの仏教史。
主な著書・論文に『契丹仏教史の研究』(法藏館、2015年)、「クビライ政権と資戒会」(『関西大学東西学術研究所紀要』第49輯、2016年)、「捺鉢と法会―道宗朝を中心に」(『唐代史研究』第20号、2017年)などがある。
武田和哉(たけだ・かずや)
大谷大学文学部教授。専門は人文情報学・歴史学・考古学。
主な論著に、『草原の王朝・契丹国(遼朝)の遺跡と文物』(勉誠出版、2006年)、『日本的時空観の形成』(共著、思文閣、2017年)などがある。