今こそ問う 水力発電の価値 : その恵みを未来に生かすために

今こそ問う水力発電の価値

今こそ問う 水力発電の価値

その恵みを未来に生かすために

編著防災工学

監修:角哲也・井上素行・池田駿介・上阪恒雄, 編集:国土文化研究所 , 執筆:水力発電価値評価研究会
監修:角哲也・井上素行・池田駿介・上阪恒雄, 編集:国土文化研究所 , 執筆:水力発電価値評価研究会
角哲也(防災研究所 / 監修)
Tetsuya Sumi (防災研究所, 監修)
出版年月
2019.11
図書体裁
A5判
出版社
技報堂出版
ISBN
9784765518666
定価(税抜)
2,200
頁数
176
本文言語
日本語

内容紹介

本書は,日本国内での水力発電の位置づけはどうあるべきか,水力発電の可能性はどの程度あるのか,また,既存のダムの有効利用を含めた今後の推進方策はどのようなものがあるのかについて,国土文化研究所(株式会社 建設技術研究所)に設置した「再生可能エネルギーにおける水力発電の価値評価と開発推進に向けた研究会」の研究成果をベースにとりまとめたものである。

目次

まえがき i
1章 水力発電の役割  1
 1節 水力発電の歴史的背景 2
  日本の気象や地形的特徴 2
  我が国のエネルギー自給率 3
   コラム:新エネルギーとは 4
  電力供給の変遷 5
  東日本大震災後の変化 6
 2節 近年の発電事情 8
  再生可能エネルギーへの注目の高まり 8
  長期エネルギー需給見通し 8
  再生可能エネルギーの導入状況 11
   コラム:再生可能エネルギーを100%達成するコスタリカ 14
  再生可能エネルギー増大に伴う課題 15
   コラム:発電量と消費量のバランスは重要 18
   コラム:電力系統と地域間連系線 20
 3節 水力発電の恵み 22
  評価されるべき水力発電 22
  安定した安価な電力の提供(電力価値) 22
   コラム:水力発電の優位性28
   コラム:水力発電施設の耐用年数 29
  発電に伴う環境負荷の軽減(環境価値) 29
  社会への貢献(社会的価値) 31
   コラム:水力発電の雇用創出 38

2章 水力発電の新たなかたち 39
 1節 再生可能エネルギーの安定化への貢献 40
  再生可能エネルギーの特徴と課題 40
   コラム:アイルランドの再エネ事情 41
  水力発電のメリハリある運用 42
  揚水式発電の有効活用 43
   コラム:国境を越えた系統連系 46
   コラム:太陽光発電と日食の関係 47
 2節 リパワリングされる水力発電 48
  既設水力発電のリパワリング(増出力・増電力量)のチャンス 48
  リパワリングの基本原理 50
  リパワリング事例1(流量の見直し) 51
  リパワリング事例2(落差の見直し) 52
  リパワリング事例3(効率の見直し) 53
   コラム:水車の効率向上に関する要素技術 56
 3節 環境と共生する水力発電 58
  水力発電に対するイメージ 58
  水枯れ川をなくす 59
  魚の遡上に配慮する 61
  流入土砂を管理する 63
  水質を管理する 66
   コラム:維持管理へのロボットの活用 70
 4節 洪水を防ぐ水力発電ダム 71
  ダムの分類と貯水池の状態 71
  発電ダムの操作 72
  発電専用ダムの治水活用事例 73
  氾濫危険時における揚水発電ダムの活用 74
 5節 あらためて注目を浴びる小規模な水力発電 76
  水力発電のスケール 76
  小水力発電の設置場所 77
  小水力発電の歴史 81
  小水力発電の役割 83
  小水力発電の実際(地域に貢献する発電事例) 84
   コラム:維持流量放流で発電すると 90
   コラム:洞窟で発電する 92

3章 水力発電の未来に向けて 93
 1節 既存ダムを賢く使って発電力増強 94
  ダムの有効活用による水力発電の価値向上 94
  貯水池の運用方法変更による発電力増強方策 94
  貯水池を有効利用する技術“予備放流” 96
  洪水期中の水位上昇による増電効果 99
   コラム:気象予測を取り入れたダム管理 101
   コラム:AIを活用したダム運用の高度化 102
 2節 ダム嵩上げによる発電力増強 103
  既設ダムの嵩上げによる発電力増強 103
   トライアル:嵩上げによる発電力増強の試算 106
 3節 ダムの総合活用による再生 107
  ダムの総合活用 107
   コラム:ダムの利水容量の設定方法 109
   コラム:ダムの治水容量の設定方法 109
  発電専用ダムにおける再開発 110
  ダム再生ビジョンを踏まえた最適運用を目指して 112
 4節 気候変動への適応 114
  気候変動に伴う河川流量・流況の変化 114
  河川流量・流況変化に対する適応策 116
  気候変動に伴う貯水池内流入土砂量の変化 118
  貯水池内堆砂進行に対する新たな取り組み120
   コラム:堆砂対策の必要性の指標―CAP/MASとCAP/MAR― 124
   コラム:土砂濃度と発電出力の関係性 125
 5節 水力発電のパラダイムシフト 126
  都市主体から地域主体の水力発電へ 126
  河川環境維持と発電最大化の両立 127
  水力発電の導入を促進する工夫 128
  地域主体の水力発電への転換 133
  トライアル「グラハム・ベルの予言」の社会実装に向けて 136

あとがき 139
用語集 142

図書に貢献している教員