探検家ヘディンと京都大学 : 残された60枚の模写が語るもの

探検家ヘディンと京都大学

探検家ヘディンと京都大学

残された60枚の模写が語るもの

編著
大学・学問
田中和子 編, 佐藤兼永 撮影
田中和子(文学研究科 / 編集, 分担執筆), 池田巧(人文科学研究所 / 分担執筆), 木津祐子(文学研究科 / 分担執筆), 出口康夫(文学研究科 / 分担執筆), 松田素二(文学研究科 / 分担執筆), 水野一晴(文学研究科 / 分担執筆), 山極壽一(京都大学 / 分担執筆)
Kazuko Tanaka (Sugiura) (文学研究科, 編集, 分担執筆), IKEDA Takumi (人文科学研究所, 分担執筆), Yuko Kizu (文学研究科, 分担執筆), Yasuo Deguchi (文学研究科, 分担執筆), Motoji Matsuda (文学研究科, 分担執筆), Kazuharu Mizuno (文学研究科, 分担執筆), Juichi Yamagiwa (京都大学, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A4変
出版社
京都大学学術出版会
ISBN
9784814001491
定価(税抜)
6,800
頁数
278
本文言語
日本語

内容紹介

1908年、中央アジア探検を終えたスウェン・ヘディンが初来日し、京都大学を訪れた。未知の地を踏査し数々の発見を成し遂げた「世界の大探検家」の到来は、学術探検の黎明期にあった日本にどのような影響を与えたか――。京都大学に残されたヘディンのスケッチと水彩画の模写60点を完全掲載し、1世紀前にヘディンが歩いたチベットの姿を描き出すとともに、当時の京都で繰り広げられた学術と芸術の多様な交流を明らかにする。

目次

まえがき [田中和子]
ヘディンの探検ルートとキャンプ地(1906-1908年)/凡例 
 
第Ⅰ編 図 録―残された模写とヘディンの原画、現代のチベット
   [池田 巧/佐藤兼永(撮影)] 
  序章 百年前の模写に描かれていたチベット、そしてヘディンへの追走
  1章 タシルンポ大僧院
  2章 シガツェの人々
  3章 トランスヒマラヤ
  4章 チベット人
  5章 チベットの寺と僧院
  模写60点とそれらの原画およびヘディンによる著作中の挿絵等の対応リスト
  【コラム】ヘディンの見たチベットと私の見た「チベット」 [水野一晴]

第Ⅱ編 報告集―近代日本とヘディンのチベット探検
 第一部  探検家ヘディンの京都訪問
  1章 探検大学の源流 [山極壽一]
  2章 1908年、京都におけるヘディン歓迎行事とその特質
     ―京都帝国大学と文科大学と東洋学 [田中和子]
  3章 ヘディンによる京都滞在の遺産
     ―京都大学に残されたヘディン原画の模写 [田中和子]
   【コラム】 ヘディンは大阪で何を見たのか:鳴らずの釣鐘異聞 [出口康夫]
 第二部  20世紀の政治・社会・科学とヘディン
  4章 20世紀初頭の国際政治社会と日本
     ―大谷光瑞とスヴェン・ヘディンとの関係を中心として [白須淨眞]
  5章 ヘディン・インパクト
     ―近現代日本人の「ヘディン」 [高本康子]
  6章 探検・科学・異文化理解―ヘディンの軌跡を通して考える [松田素二]
  【コラム】 ヘディンの具足 [田中和子]
 第三部  芸術・学術におけるヘディン
  7章 芸術家ならびに写真家としてのスウェン・ヘディン
     ―19世紀と20世紀における絵と地図にかかわる技法の拡張
     [ホーカン・ヴォルケスト/田中和子(訳)]
  8章 ヘディンと漢籍 [木津祐子/田中和子]
  【コラム】 ヘディンの「中央アジア 地形 風俗」画の模写を見て [平野重光]

付録1 ブラマプトラとサトレジの水源に関する『水道提綱』の記述を引用した“Southern Tibet”のテキストおよび和訳 [田中和子(訳)]
付録2 齊召南著『水道提綱』巻二十二 訳注 [木津祐子(訳)]
付表 ブラマプトラとサトレジの水源域の記述にかかわる地名一覧表
付図 ブラマプトラとサトレジの水源域の水系と山岳

索引
執筆者一覧

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