人種主義と反人種主義 : 越境と転換

人種主義と反人種主義

越境と転換

編著
人類学
竹沢泰子, ジャン=フレデリック・ショブ編
竹沢泰子(人文科学研究所 / 編集, 分担執筆)
Yasuko Takezawa (人文科学研究所, 編集, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A5判
出版社
京都大学学術出版会
ISBN
9784814003891
定価(税抜)
3,800
頁数
422
本文言語
日本語

内容紹介

法・制度・政治・学問が、人種を創り人々を序列化していく淵源はどこにあるのか? 19世紀の西洋の衝撃と邂逅から同時代的に東アジアとヨーロッパで起きた人種化の波。明治期の人種認識、20世紀初頭のコスモポリタニズムと霊的普遍主義、最新のゲノム研究……近代以降の人種主義と反人種主義のせめぎあいを、日仏の論者たちが説き明かす。

目次

序論──非英語圏からの共同発信の試み
[竹沢泰子,ジャン=フレデリック・ショブ]

I 前近代と近代の連続性/不連続性

第1章 「人種」と「文明」
    ──明治期の教科書記述にみる世界認識の変容 [竹沢泰子]
第2章 バスク人とユダヤ人の間で
    ──いかにスペイン人アイデンティティが人種化したか
    [ジャン=フレデリック・ショブ]
【Dialogue】竹沢泰子×ジャン=フレデリック・ショブ
(コメンテーター)クロード=オリヴィエ・ドロン,平野千果子

II 統治と学知

第3章 被差別部落へのまなざしと生権力
    ──包摂と排除のポリティクス [関口 寛]
第4章 日本統治下台湾における植民地人類学
    ──「理蕃」政策と先住民族の本質化 [アルノ・ナンタ]
【Dialogue】関口寛×アルノ・ナンタ
(コメンテーター)坂野徹,ジャン=フレデリック・ショブ

III 分類する法

第5章 20世紀フランスとイタリアにおける法的経験
    ──反ユダヤ人法制,混血児の地位,優生政策
    [シルヴィア・ファルコニエーリ]
第6章 近代日本の法的婚姻と人種論
    ──「国際結婚」をめぐる言説空間の変容 [長志珠絵]
【Dialogue】長志珠絵×シルヴィア・ファルコニエーリ(代理:ジャン=フレデリック・ショブ)
(コメンテーター)松本悠子,ライナー・マリア・キーソー

IV 反人種主義の葛藤と展開

第7章 両義的な反人種主義
    ──唯心主義的批判あるいは霊的人種間の不平等
    [クロード=オリヴィエ・ドロン]
第8章 反人種主義と霊性──国際主義の歴史再考
    [田辺明生]
【Dialogue】クロード=オリヴィエ・ドロン×田辺明生
(コメンテーター)池亀彩,ピエール・ブーレッツ

V 遺伝的祖先と人種の解体/再生

解説 遺伝子検査による祖先(ルーツ)検査とは [竹沢泰子]
第9章 ゲノム情報から「私」の祖先を“選ぶ”
    [太田博樹]
第10章 DNA祖先検査は反人種主義に効果的な技術か
    [サラ・エイベル]
【Dialogue】太田博樹×サラ・エイベル
(コメンテーター)ティモシー・コールフィールド,竹沢泰子

あとがき
索引
執筆者紹介

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