幸福と人生の意味の哲学 : なぜ私たちはいきていかねばならないのか
Table of Contents
はじめに
第1章 幸福の難しさ
第1節 幸福のどうにもならない側面
(1)この世の不幸
(2)なぜ生きていかねばならないか
(3)幸福の外在的側面
(4)幸福と幸運
第2節 幸福の内面化
(1)「外在的幸福」の不安定さ
(2)ストア派の幸福論
(3)不幸は考え方次第なのか
(4)意のままにならぬ内面――回復と時間
第3節 幸福の幻想性と脆弱性
(1)幸福のうちに見出される傷
(2)生きることと苦しめること
(3)〈幸福〉と〈現実から目を逸らすこと〉
(4)パスカル・ラッセル・長谷川の幸福論
第2章 人生の無意味さ
第4節 死と人生の意味
(1)幸福をめぐる問題と人生の意味をめぐる問題
(2)人生と世界の違和感
(3)どうせ死んでしまう
(4)生きてる間は楽しまなくっちゃ
第5節 国家や歴史は人生に意味を与えるか
(1)人生の意味と人間を超えた何か
(2)人生の意味と自殺
(3)国家・歴史・人生の意味
(4)人間がもつ〈一歩退く〉という知的能力
(5)国家や歴史を相対化しうることの必然性
第6節 物質と〈ただ在るに過ぎないこと〉――世界は絶対的に無意味か
(1)人生の意味と唯物論の問題
(2)一切はただ在るに過ぎない
(3)存在の脱意味化
(4)船木英哲の絶対的無意味
第3章 有意味さの不可避性と相対性
第7節 人生の不条理とアイロニーを伴った生き方
(1)絶対的な無意味さの不可能性
(2)人生の意味と無意味をめぐる不条理
(3)この不条理な生をどう生きるか――アイロニーの勧め
(4)李陵のアイロニカルな生き方
第8節 アイロニーと人生の意味
(1)自分自身の価値観との距離
(2)アイロニストがテロや暴力に反対する際の〈どっちつかずさ〉
(3)渡部昇一のアイロニー欠如
(4)アイロニーの意義
(5)アイロニーと人生の意味
第9節 「有意味な生とは何か」への応答
(1)語りえぬものを大切にする姿勢
(2)直接語らないこと
(3)メッツ批判
(4)伊勢田批判
(5)戸田山批判
第4章 幸福の可能性と現実性
第10節 幸福と語りえぬもの
(1)森村への「複層的」批判
(2)「分からない」という結論
(3)書かれている以上のことが何も染み出してこない
(4)すべてが美しい
第11節 超越的幸福
(1)〈眼前に現れうるもの〉と〈超越〉の区別の重要性
(2)幸福と不幸を世界内部的な基準で測ることの問題点
(3)幸福の可能性
第12節 信仰の重要性
(1)現実から目を逸らさぬこと
(2)信仰の重要性
(3)信仰とアイロニー
第13節 人生が幸福という意味をもつことを――
(1)幸福こそが人生の意味である
(2)超越の光に照らされて
(3)永遠の相の下に
(4)時間と事実
結びに代えて
あとがき