中国前近代の関津と交通路
目次
口絵
解題―序に代えて [辻 正博]
凡例
第Ⅰ部 関津―関所と渡し場・橋梁
第1章 衛星画像と地形データ(DEM)を利用した歴史的場所の検討 [小方 登]
1 歴史地理学研究への衛星画像の活用
2 数値標高モデル(DEM)の利用
3 洛陽盆地
4 潼関
5 潼関附近の土地区画と泗州城
6 鎖陽城
おわりに
第2章 潼関の廃置・移設と武則天の「神都圏」構想 [辻 正博]
はじめに
1 潼関の設置と隋の南北関城
2 武則天の「神都圏」構想と潼関の廃置
3 近世の潼関
おわりに
第3章 蕭関の機能的特徴と地理的位置についての一考察―とくに旧関関係史料の分析に重点を置いて [福原 啓郎]
はじめに
1 蕭関の沿革
2 詩跡としての蕭関
3 蕭関の機能的特徴とその否定的側面
4 蕭関の地理的位置
おわりに
第4章 黄河下流平原の「津」―リモートセンシングデータを利用した黄河古河道復元[長谷川 順二]
はじめに
1 黄河下流平原の「津」に関する先行研究
2 戦国~唐代における黄河下流平原の「津」
3 黄河下流平原における「津」の変遷
―今後の「津」研究に向けて
第5章 唐代の蒲津渡と東渭橋をつなぐ交通路 [宇都宮 美生]
はじめに―発見相次ぐ橋梁遺跡
1 唐代の黄河の蒲津渡
2 唐代の渭水の渭橋
おわりに―交通幹線道と渡津・橋梁
第6章 唐宋時代における僧侶の旅と交通―過所・公験・公憑 [松浦 典弘]
はじめに
1 唐以前における僧の移動に対する制約
2 唐代における僧の移動に対する制約
3 宋代における僧の移動に対する規制
4 過所・公験・公憑
おわりに
第7章 鷄鳴駅の変遷―堡・駅から観光施設へ [千田 豊]
はじめに
1 鷄鳴駅の成立と堡としての価値
2 清代の鷄鳴駅
おわりに
第8章 蜀道から考える関塞としての秦嶺 [小島 泰雄]
はじめに
1 蜀道
2 桟雲峡雨日記
3 関中盆地・宝鶏から漢中盆地・褒城への旅程
4 快速の秦嶺越
おわりに
第Ⅱ部 交通路―街道と水路
第9章 黄巷・金陡関と潼関―関所の移置と街道の変遷 [辻 正博]
はじめに
1 黄巷・黄巷坂
2 金陡関―潼関の東に置かれた関門
3 20世紀以降の交通路の変化と潼関―結びに代えて
第10章 河西回廊における遺跡・交通路・オアシスの位置関係―漢代・唐代の敦煌と瓜州を中心に [森谷 一樹]
はじめに
1 楡林河~蘆草溝のふたつの扇状地と遺跡の分布
2 『唐代交通図考』にみえる唐代交通路の検証
3 蘆草溝オアシスのふたつの囲郭遺跡
4 懸泉置漢簡にみえる漢代交通路との比較
おわりに
第11章 太行陘・白陘古道の歴史的意義―古道関連の関塞・集落遺址調査を踏まえて [塩沢 裕仁]
緒言
1 太行陘の景観復元
2 白陘
3 太行陘および白陘古道関連遺跡
結語
第12章 武関道から商洛道へ―関中平原~南陽盆地間の交通運輸 [侯 甬堅(小野 響 翻訳、辻 正博 監訳)]
はじめに
1 商洛古道開鑿の地質学的前提
2 商洛古道の交通運輸と道路事情の改善
3 商洛山間部における近代的自動車道の登場
4 丹江水運における航行距離の短縮
5 商洛古道研究における未解決の諸問題
結論―外部地域による制約と商洛古道の交通運輸
第13章 前近代中国中原の穀倉の発展と交通路―実地踏査による新知見を交えて [宇都宮 美生]
はじめに
1 隋唐以前の穀倉の諸相
2 隋の穀倉とその運営
3 唐の穀倉とその運営
おわりに―穀倉と交通
第14章 破岡瀆―建康と三呉の間 [張 学鋒(千田 豊 翻訳、辻 正博 監訳)]
はじめに
1 破岡瀆の開鑿とその流路
2 建康と三呉の間
3 破岡瀆と六朝時代の海外交通
おわりに
第15章 前近代中国の運河―洛陽・揚州間の隋・唐・宋運河遺跡をたどって [宇都宮 美生]
はじめに
1 通遠渠と通済渠西部分―河南省洛陽と洛口(黄河合流点)の間
2 黄河―洛口・汴口間
3 通済渠東部分(汴河)―汴口・泗州間
4 旧淮河と洪沢湖
5 淮揚運河―淮安・揚州・瓜洲の区間
おわりに
あとがき [辻 正博]
索引(人名・地名・事項)
執筆者・翻訳者紹介