現代社会の仏教 (シリーズ実践仏教 5)

現代社会の仏教

シリーズ実践仏教 5

編著
文化・宗教
蓑輪顕量, 熊谷誠慈, 室寺義仁著
船山徹(人文科学研究所 / 編集), 熊谷誠慈(人と社会の未来研究院 / 編集, 分担執筆)
Toru Funayama (人文科学研究所, 編集), Seiji Kumagai (人と社会の未来研究院, 編集, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
四六判
出版社
臨川書店
ISBN
9784653045755
定価(税抜)
2,800
頁数
256
本文言語
日本語

内容紹介

シリーズ四回配本第Ⅴ巻は、現代社会に息づく仏教を三章にわけて論ずる。仏教が果たしうる今日的役割とは。

目次

はしがき (船山 徹)

第一章 瞑想のダイナミズム――初期仏教から現代へ―― (蓑輪顕量)
はじめに
第一節 インド世界における心の観察
輪廻との関連 / 釈尊の悟り / 念処――釈尊の心の観察法 / 念処の目的 / 五蘊の発見 / 止観の内実 / 論典が伝える展開
第二節 東アジア世界における止観の受容と展開
入息出息観と不浄観 / 南北朝時代における心の観察 / 天台の止観 / 禅宗の展開 / 唐・宋代の公案と行 / 話頭禅
第三節 日本における止観の受容と発展
古代の受容 / 院政期における心の観察 / 中世の受容と展開 / 良遍の理解 / 近世初頭の展開 / 良寛、日臨および妙好人 / 近代の展開 / 戦後・現代の展開
おわりに

第二章 ブータンの実践仏教と国民総幸福(GNH) (熊谷誠慈)
はじめに
ブータンと幸福
第一節 ブータンの概要
ヒマラヤの王国ブータン / ブータンへの仏教伝来 / ブータンに伝わったチベット仏教諸宗派とニンマ派、ドゥク派 / ドゥク派の分裂とブータンの建国 / ドゥク派政権による国家運営 / 大英帝国との関係 / ドゥク派政権の終焉とブータン王国の成立 / ブータンの近代化(三代~五代国王) / ブータン社会における仏教の影響
第二節 ブータンの仏教とその思想
ブータン国民にとっての仏教 / 聖俗両立の起源(ドゥク派開祖ツァンパ・ギャレーの多様性とGNH) / 輪廻思想に基づく生活  マハームドラー(大印契) / ナーローパの六法 / 『死者の書』の位置づけ / 土着神の扱い
第三節 ブータン社会における仏教の応用実践
ブータン王国憲法における仏教実践の位置づけ / GNH政策 / GNHの構成 / ゲリラとの戦争 / ネパール難民問題 / 近代化・国際化における伝統との軋轢と融合 / 若者の抱える問題
第四節 ブータンの幸福観の応用可能性
ブータン仏教の位置づけ(日本仏教との共通点と相違点) / 日本仏教の可能性 / GNH政策の日本への応用可能性 
結 語

第三章 現代医療と向き合う (室寺義仁)
はじめに
現代日本における仏教の一つの姿
第一節 現代医療の進展
㈠個人情報とインフォームド・コンセント / ㈡医療情報 / ㈢臨床研究 / ㈣高齢社会における医療
第二節 教育研究機関における取り組み
㈠ビハーラ僧 / ㈡臨床宗教師 / ㈢光華女子大学と滋賀医科大学の例
第三節 生命倫理の四原則
第四節 「黄金律」(Golden Rule)と「不放逸」の教え
第五節 ブッダの教えから学ぶ
㈠心の有り様について――『ダンマパダ』の教えから / ㈡『ダンマパダ』第二八二偈の教え――「我に入り込め」
結びに代えて

参考文献 / 図版一覧 / 索 引

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