狩猟採集民からみた地球環境史 : 自然・隣人・文明との共生

狩猟採集民からみた地球環境史

自然・隣人・文明との共生

編著
自然・環境
池谷和信 編
高田明(アジア・アフリカ地域研究研究科 / 分担執筆), 加藤裕美(白眉センター / 分担執筆)
Akira Takada (アジア・アフリカ地域研究研究科, 分担執筆), Yumi KATO (白眉センター, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A5
出版社
東京大学出版会
ISBN
9784130603171
定価(税抜)
5,800
頁数
320
本文言語
日本語

内容紹介

数百万年という人類史のほとんどで,私たちは狩猟採集民だった.農耕民,国家や宗教,市場経済といった外部の変化のなかで,狩猟採集民はいかに生きてきたのか.考古学・人類学の知見を結集して,文明の起源と変容に迫り,壮大な地球環境史を描く.

目次

序論 狩猟採集民からみた地球環境史[池谷和信]
 1 狩猟採集民の歴史の捉え方
 2 地球の最初の住人・狩猟採集民
 3 先史時代における農耕民との共生,農耕民への同化
 4 前近代における国家や宗教とのかかわり方――世界システムと自然産物の担い手
 5 現代社会で生きる人々――国民国家,市場経済,先住民運動
 6 おわりに

I 先史狩猟採集民の定住化と自然資源利用
1 東南アジア・オセアニア海域に進出した漁撈採集民と海洋適応[小野林太郎]
2 気候変動と定住化・農耕化――西アジア・日本列島・中米[那須浩郎]
3 西アジア先史時代における定住狩猟採集民社会[三宅裕]
4 古代アンデス狩猟採集民の農耕民化[鶴見英成]
附論1 ボルネオの狩猟採集民の祖先は「狩猟採集民」か「農耕民」か[小泉都]

II 農耕民との共生,農耕民・家畜飼養民への変化
5 狩猟採集と焼畑の生態学[佐藤廉也]
6 東南アジア島嶼部における狩猟採集民と農耕民との関係[金沢謙太郎]
7 コンゴ盆地におけるピグミーと隣人の関係史[大石高典]
8 熱帯高地アンデスにおける狩猟民から家畜飼養民への道[稲村哲也]
附論2 南の海の狩猟民と隣人[関野吉晴]
附論3 狩猟採集から複合生業へ[八塚春名]

III 王国・帝国・植民地と狩猟採集民
9 北東アジア経済圏における狩猟採集民と長距離交易[手塚薫]
10 統治される森の民[信田敏宏]
11 南西アフリカ(ナミビア)北中部のサンの定住化・キリスト教化[高田 明]
附論4 植民地時代のピグミー[松浦直毅]

IV 近代化と狩猟採集民
12 狩猟採集民の定住化と人口動態[小谷真吾]
13 国立公園の普及と中部アフリカの狩猟採集民[服部志帆]
14 アマゾンの森林開発のもとでの現代的な民族間関係[大橋麻里子]
15 森のキャンプ・定住村・町をまたぐ狩猟採集民[加藤裕美]
附論5 狩猟採集民・農耕民・文明人における病気と病[山本太郎]

結論 地球の先住者から学ぶこと[池谷和信]
 1 はじめに
 2 本書の3つの意義
 3 狩猟採集民研究と地球学

あとがき

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