森のつくられかた : 移りゆく人間と自然のハイブリッド (森林科学シリーズ 2)

森のつくられかた

移りゆく人間と自然のハイブリッド

森林科学シリーズ 2

編著
自然・環境
生方史数編
小林知(東南アジア地域研究研究所 / 分担執筆)
Satoru Kobayashi (東南アジア地域研究研究所, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A5判
出版社
共立出版
ISBN
9784320058187
定価(税抜)
3,300
頁数
258
本文言語
日本語

内容紹介

森林と人間の関わりは深く,森林は人間による改変を最も受け続けた自然といえる。産業革命以来影響力を強めてきた人間による自然の征服と改変は,グレート・アクセラレーションと呼ばれる1950年代以降,地球全体にまで及ぶようになった。そして,それはグローバルな気候変動をはじめとする地球のさまざまな「変調」へとつながり,人間の生存自体を脅かしている。この現実にどのように向き合い,自然との関係を,今後どのように結んでいけばよいのだろうか。森と人間の密接な関わりは,このような問いを考える際に格好の事例だといえる。以上をふまえ,本書では,自然と人間の「ハイブリッド(混成物)」-すなわち自然のみでなく,人間によってもつくられる自然と人工の混成物-として森林をとらえてみる。そして,あるハイブリッドがつくられ,変容し,ときに崩壊していくプロセス自体をみつめることによって,人間によってつくられてきた森の「レシピ」を再考してみたい。

人間による「森のつくられかた」をある程度網羅的に論じていくという本書の試みは,少なくとも日本においては非常にユニークなものである。本書を読むことで,未来に向けた森林の見取り図がどうあるべきか,森林と人間の関係をどのように(再)構築していけばよいのか,着想する一助になれば幸いである。

図書に貢献している教員