現代経済法の課題と理論 : 金井貴嗣先生古稀祝賀論文集

現代経済法の課題と理論

金井貴嗣先生古稀祝賀論文集

編著
法律
経済
土田和博 [ほか] 編集委員
川濵昇(法学研究科 / 編集, 分担執筆)
Noboru Kawahama (法学研究科, 編集, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A5判
出版社
弘文堂
ISBN
9784335358913
定価(税抜)
12,000
頁数
650
本文言語
日本語

内容紹介

現代経済法の最新テーマに多様な視角から迫る!

実体法からエンフォースメントまで、経済法に関する多岐にわたる分野で輝かしい業績を積み重ね続けておられる金井貴嗣先生の古稀をお祝いする論文集。
視野が広くバランス感覚にすぐれた深い理解に基づく知見は、多くの研究者・実務家の信頼を集め、学界はもとより実務にも多大な寄与をなされています。
経済法の各分野、特にデジタル市場(経済)を視野に収めた現代的課題について、第一線で活躍する研究者・実務家35名が、時代の変化に機敏に対応されてきた金井先生の学風を引き継ぐべく、力のこもった論文を寄せた珠玉の一冊。

目次

第1部 基本概念・理論
独占禁止法における「一般消費者」の考察――概念定立に向けた視点の整理[岩本 諭]
競争制限行為の禁止と市場での資源配分との関係に関する一考察[大槻文俊]
営業の自由をめぐる論争の今日的意義――デジタル経済における競争保護のあり方[越知保見]
市場支配力基準の再検討[川濵 昇]
イノベーション市場論の展開と課題――イノベーション競争における市場と競争阻害効果の認定問題[齊藤高広]
競争法における偽陽性・偽陰性に関する一考察[隅田浩司]
独占禁止法における一定の取引分野(市場画定)についての考察[藤田 稔]

第2部 共同行為
わが国独占禁止法における当然違法立法の形成と消滅[泉水文雄]
米国のフランチャイズ契約におけるno-poach条項について[長谷河亜希子]
我が国独占禁止法における共同購入規制――違法性判断基準の検討を中心として[渕川和彦]
不当な取引制限における共同性の要件について――「意思の連絡」・「合意」とは何か[山部俊文]

第3部 単独行為
大規模小売業者に対する特殊指定による規制の歴史と今後の課題[岡野純司]
優越的地位の濫用における原則と例外――大規模小売業に対する適用について[河谷清文]
独禁法における拘束条件付取引に係る違法性判断基準の再検討――韓国独禁法からの示唆をもとに[洪 淳康]
優越的地位濫用規制の本質論[森平明彦]
販売店契約における優越的地位の濫用――佐賀地裁令和2年5月15日判決を素材として[山本裕子]

第4部 企業結合
中国国有企業に対するEU集中規則の適用[武田邦宣]
イノベーションの阻害を根拠とした企業結合規制の可能性について[宮井雅明]
AMEX事件連邦最高裁判所判決の合併事案への影響に関する覚書――Sabre/Farelogix合併事件を手がかりに[若林亜理砂]

第5部 知的財産権と独占禁止法
アフターマーケットをめぐる議論――整理と序論的考察[中川寛子]
独占禁止法と知的財産法の関係性についての一考――リコー VS ディエスジャパン外2名判決を題材として[萩原浩太]
標準必須特許のライセンスをめぐる近時の諸問題――欧州の議論を中心に[林 秀弥]

第6部 デジタル市場
デジタル市場における私的独占規制――EU競争法の集合的支配概念からの示唆[伊永大輔]
デジタル経済における相対的な市場力規制の展開[柴田潤子]
デジタル時代のロイヤルティースキームとプラットフォーム規制――豪州競争消費者委員会報告書を手がかりに[早川雄一郎]
新聞とデジタル・プラットフォーム――独占禁止法・競争政策の観点からの検討[和久井理子]

第7部 適用除外
協同組合による流通管理と独占禁止法22条の適用[西村暢史]
独占禁止法の特例法(令和2年法律第32号)をめぐる解釈・運用上の課題について[柳 武史]
EU機能条約101条3項の運用の変遷[渡辺昭成]

第8部 民事救済
確約制度と私訴・損害賠償制度について――EU法をめぐって・検討序説[瀬領真悟]
早期代替取引費用の賠償対象性(試論)[髙田 淳]
独占禁止法と国際裁判管轄、準拠法の合意――研究序説[土田和博]

第9部 事業法と独占禁止法
公的主体等による購買行為に対する競争法の適用[青柳由香]
認可接続約款の反競争的一側面[石岡克俊]
持続可能な医療提供体制の構築と競争政策――新型コロナウイルス感染症対応を契機として[佐藤吾郎]

図書に貢献している教員