個と普遍 : レヴィナス哲学の新たな広がり

個と普遍

レヴィナス哲学の新たな広がり

編著
哲学・思想
杉村靖彦, 渡名喜庸哲, 長坂真澄編 ; [馬場智一 [ほか] 著]
杉村靖彦(文学研究科 / 編集, 分担執筆)
Yasuhiko Sugimura (文学研究科, 編集, 分担執筆)
出版年月
図書体裁
A5判
出版社
法政大学出版局
ISBN
9784588151224
定価(税抜)
6,000
頁数
422
本文言語
日本語

内容紹介

20世紀の倫理学に根源的な転回をもたらしたレヴィナス。そのいまだ汲み尽くされざる可能性について、東方/東洋の伝統思想やユダヤ思想史からの視点、ケアや医療分野での応用、現代哲学からの新たな解釈という全3部からアプローチした国際シンポジウムの記録。仏、米、墺やイスラエル、韓国など海外の研究者、日本のベテランから若手まで総勢20名による多彩な論考が、これからの倫理の扉をひらく。

目次

序 【渡名喜庸哲】

第一部 レヴィナスと「東方/東洋」

東方イスラエリット師範学校校長としてのレヴィナスと伝統──世界イスラエリット同盟アーカイヴ所蔵文書を読む 【馬場智一】
東西のあいだの現代ユダヤ哲学──マルティン・ブーバーとエマニュエル・レヴィナス 【ハノック・ベン=パジ/小野 和/渡名喜庸哲 訳】
レヴィナスにおける〈東方〉についての極端な思考──ジュディス・バトラーからの批判に対して 【渡名喜庸哲】
孟子と顔の倫理──レヴィナス哲学から孟子の思想を読む 【キム・ヒョンジュン/吉野斉志 訳】
内部性とはなにか──レヴィナスとアジア思想における超越と内的経験 【レア・カルマンソン/石井雅巳 訳】
道徳と宗教をめぐる一考察──レヴィナスと清沢満之 【合田正人】
質料的現象学の限界における「社会存在」の重量──一九三〇年代のレヴィナスと田辺元 【杉村靖彦】

第二部 レヴィナスとケアの倫理

「子どもをもつ」とはいかなることか──反出生主義に抗するレヴィナス 【小手川正二郎】
倫理的ケアの関係はありうるのか──レヴィナスとともにケアを考える 【フローラ・バスティアーニ/村上暁子 訳】
享受と傷──〈同〉の内なる〈他〉としての主体性をめぐって 【平石晃樹】
住処の内破としての児童虐待──レヴィナス、アガンベン、そして民主主義の基盤 【村上靖彦】
母胎の震えのように──拠りどころ、専門能力としての医療 【ジャン=フランソワ・レイ/松葉 類 訳】

第三部 レヴィナスと新たな対話

利己愛から利益へ──レヴィナスとジャンセニスム 【藤岡俊博】
レヴィナスと「記憶不可能な過去」──カントおよびシェリングを経由して 【長坂真澄】
ジャン・ヴァールの下降的超越とレヴィナス 【樋口雄哉】
音と記号──「理性」をめぐるレヴィナスと現象学 【平岡 紘】
〈われわれ〉の存在論──レヴィナスとローゼンツヴァイク 【佐藤香織】
対話的差異の弁証論 【クリスティアン・レスナー/樽田勇樹 訳】
法、愛、現象学──リオタールとマリオンのあいだのレヴィナス 【フランソワ=ダヴィド・セバー/犬飼智仁 訳】
レヴィナスと「非存在論的な突破口」 【ジャン=ミシェル・サランスキ/伊藤潤一郎 訳】

あとがき 【杉村靖彦】
索 引

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