環太平洋地域の移動と人種 : 統治から管理へ、遭遇から連帯へ
目次
序論
Ⅰ 拡大する帝国・国民国家
第1章 遭遇としての植民地主義
――北海道開拓における人種化と労働力の問題をめぐって
[平野克弥]
第2章 植民地統治と「カテゴリー」
――植民地期シンガポールでの治安秩序維持を事例として
[鬼丸武士]
Ⅱ マイノリティたちの遭遇・共感・連帯
第3章 アメリカに渡った被差別部落民
――太平洋を巡る「人種化」と「つながり」の歴史経験
[関口 寛]
第4章 排日から排墨へ
――一九二〇年代カリフォルニア州における人種化経験の連鎖
[徳永 悠]
Ⅲ 政治実践としての記憶と表象
第5章 博物館におけるマイノリティ表象の可能性
――差別と人権の政治学 [吉村智博]
第6章 日系アメリカ人の原爆批評
――戦争の記憶と一九九五年のエノラ・ゲイ展
[内野クリスタル]
第7章 一九九二年ロスアンジェルス蜂起をめぐる表象の政治
――『薄明かり――ロスアンジェルス、1992』と記憶の重層性
[土屋和代]
Ⅳ グローバル化時代の管理と抵抗
第8章 巡礼する人種主義のためのノート [成田龍一]
第9章 ヴァーチャル化する「人種」
――現代インドにおけるデータガバナンスと人種化 [田辺明生]
第10章 「ほどく」「つなぐ」が生み出すマイナー・トランスナショナリズム
――井上葉子とジーン・シンの作品と語りから [竹沢泰子]
あとがき
索引