創発する日本へ : ポスト「失われた20年」のデッサン

創発する日本へ

ポスト「失われた20年」のデッサン

編著
社会
歴史
経済
アンドルー・ゴードン, 瀧井一博編, イアン・コンドリー [ほか] 著
待鳥聡史(法学研究科 / 分担執筆), 落合恵美子(文学研究科 / 分担執筆)
Satoshi Machidori (法学研究科, 分担執筆), Emiko Ochiai (文学研究科, 分担執筆)
出版年月
出版社
弘文堂
ISBN
9784335551925
定価(税抜)
2,400
頁数
385
本文言語
日本語

内容紹介

 閉塞感、不透明感というおきまりの枕詞に象徴される、「失われた20年」の日本。これからの日本に残された可能性は、ローカルな文化や知識、情報のいわばハブとして、「様々な日本」を生み出し、育ててゆくことではないか――本書の各章では、歴史、政治、社会、文化、美術、建築など多岐にわたる見地から、「失われた20年」の淵源と諸相とをグローバルな視点もふまえて明らかにしたうえで、成長なき時代の「国のかたち」を構想していくための展望が示されます。日本という難題に正面から挑み、「クール・ジャパン」の自画自賛に終始する議論とは一線を画した新たな日本文明論の礎となる、第一人者たちによる珠玉の論集。

目次

序 章 高度成長から「失われた20年」へ
       ―国家・市場・ジェンダーのイデオロギー           
     …………アンドルー・ゴードン

第Ⅰ部 どこから来たのか―「失われた20年」の淵源
 第1章 戦後保守主義の転換点としての1979~80年―大平報告書・再読        
     …………宇野重規
 第2章 成功のパラドクスと「失われた」時代
       ―教育政策言説に見るキャッチアップ終了後の「近代」          
     …………苅谷剛彦
 第3章 つまずきの石としての1980年代
       ―「縮んだ戦後体制」の人間再生産             
     …………落合恵美子
 第4章 失われた撮影所システム
       ―バブル崩壊以前/以後の日本の映画製作                
     …………北浦寛之

第Ⅱ部 何であったのか―「失われた20年」の諸相
 第5章 喪失の思い―失われた20年の中間地点としてのえひめ丸事件
     …………デイヴィッド・レーニー
 第6章 「失われた20年」における外交・安全保障論争      
     …………楠 綾子
 第7章 労働政治から見た「失われた20年」
       ―もう一つのアクティベーション時代の労働           
     …………篠田 徹
 第8章 保守本流の近代主義
       ―政治改革の知的起源と帰結についての試論                  
     …………待鳥聡史

第Ⅲ部 どこへ行くのか―ポスト「失われた20年」のゆくえ
 第9章 グローバル化時代における「社会設計」―Social Design の未来にむけて         
     …………稲賀繁美
 第10章 「米国と企業の利益」対「利用者の要望」
       ―1990年代から日本の著作権法はどのように変化したか        
     …………山田奨治
 第11章 世界へはばたく建築家―その出現をささえたもの                 
     …………井上章一
 第12章 「貧乏なんて気にしない」―21世紀日本の資本主義、音楽、若者文化
     …………イアン・コンドリー

 終 章 日本文明論のゆくえ―様々な日本へ
     …………瀧井一博

図書に貢献している教員