平安時代における変体漢文の研究

平安時代における変体漢文の研究

単著
文学・芸術
田中草大(文学研究科 / 著者)
Sota Tanaka (文学研究科, 著者)
出版年月
出版社
勉誠出版
ISBN
9784585291725
定価(税抜)
8,000
頁数
10
本文言語
日本語

内容紹介

日本で著述され、かつ、本来の中国語文には見られない和習を含んだ漢文―変体漢文。
この「漢文式に日本語文を書く」というあり方は、記録・文書・典籍等を記す文語文として中核をなし、前近代の日本人の日常的な言語生活に深く根付いていた。
和文・漢文のはざまを漂う「鵺」のような存在として未だ総体を捉える基盤研究のなされていなかった変体漢文の特性と言語的特徴を同時代の諸文体との対照から浮き彫りにし、日本語史のなかに定位する。

目次

序論
  第一章 変体漢文導論
  第二章 研究史と本研究の観点
 
本論
 第一部 語彙より見たる変体漢文の性格(一)―文体間共通語への着目―
  序章 問題の所在と本部の手法
  第一章 オドロク(驚)の語義・用法
  第二章 アソブ(遊)の語義・用法
  第三章 ヒサシ(久)の語義・用法
  第四章 ワヅカナリ(僅・纔)の語義・用法
  第五章 サカリ(盛)の語義・用法
  第六章 オク(置)の語義・用法
  第七章 分析結果と資料間の相違
  使用テクスト及び索引
 第二部 語彙より見たる変体漢文の性格(二)―漢文訓読語的部分への着目―
  序章 問題の所在と本部の手法
  第一章 変体漢文における〈訓点語〉の用法(一)―スミヤカナリ(速)―
  第二章 変体漢文における〈訓点語〉の用法(二)―タヤスシ(輒)―
  第三章 接尾辞「等」の訓法と用法
  第四章 前部及び本部のまとめ
 第三部 表記より見たる変体漢文の性格
  序 章 問題の所在と本部の手法
  第一章 助動詞用法の「欲」の訓法と用法
  第二章 変体漢文における不読字―段落標示用法を中心に―
  第三章 仮名文から変体漢文への「変換」の過程
  第四章 変体漢文における、表記体に起因する言語的特徴の整理
結論
初出一覧
鵺の鳴く夜は…(あとがきに代えて)
索引

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