中国初期仏塔の研究 = A study of early Chinese pagodas

中国初期仏塔の研究 = A study of early Chinese pagodas

単著
文化・宗教
向井佑介(人文科学研究所 / 著者)
Yusuke MUKAI (人文科学研究所, 著者)
出版年月
図書体裁
B5判
出版社
臨川書店
ISBN
9784653044390
定価(税抜)
8,500
頁数
316
本文言語
日本語

内容紹介

インド起源の仏塔はいかに中国で受容され、朝鮮、日本へと伝播したのか。東アジアの寺院建築・伽藍配置がもつ本質的な意味を解き明かす。

塔はなぜ高くなったのか、双塔の伽藍はなぜ誕生したのか――日本考古学・古代史の分野において未解決の問題に解答を示しながら、インド起源の仏塔がいかに中国で受容され、朝鮮半島から日本へと伝播したかを解き明かす。考古資料、文献史料、図像資料の総合分析からみえてくる東アジアの寺院建築・伽藍配置がもつ本質的な意味とは。

目次

序 章 中国初期仏塔研究の現状と課題
第一節 中国初期仏塔研究のはじまり / 第二節 中国初期仏教寺院の考古学的調査 / 第三節 中国仏教寺院研究の課題と本研究の射程

第Ⅰ部 仏塔の受容と信仰
第一章 仏教寺院の中国伝来
第一節 阿育王塔と白馬寺の伝説 / 第二節 後漢時代の仏教信仰 / 第三節 「浮図祠」の探索 / 第四節 出土資料からみた中原の初期仏教
第二章 仏塔の中国的変容
第一節 中国初期仏塔のすがた / 第二節 仏塔と天上世界

第Ⅱ部 仏塔と舎利埋納
第三章 北魏興安二年舎利石函の図像学
第一節 北魏興安二年石函の発見 / 第二節 興安二年石函と雲岡石窟の図像 / 第三節 山岳紋様と比丘図像の系譜 / 第四節 石函の図像解釈と思想
第四章 南北朝仏塔の舎利埋納
第一節 仏舎利の奇蹟譚 / 第二節 東晋・南朝の舎利埋納 / 第三節 北魏太和五年石函出土文物の検討 / 第四節 東魏・北斉鄴城の仏塔と舎利埋納

第Ⅲ部 雲岡石窟の寺院景観
第五章 雲岡石窟の瓦と寺院景観
第一節 雲岡石窟出土瓦の様式と編年 / 第二節 瓦からみた雲岡石窟の寺院景観
第六章 雲岡石窟の仏塔意匠
第一節 仏塔意匠の三種 / 第二節 石塔形重層柱 / 第三節 覆鉢式塔 / 第四節 楼閣式重層塔 / 第五節 仏塔意匠の流行と雲岡石窟の景観

第Ⅳ部 仏塔の構造と空間配置
第七章 北魏平城時代の仏教寺院と塑像
第一節 北魏平城時代の塑像出土寺院 / 第二節 堂塔の配置と構造 / 第三節 塑像と壁画による堂塔の荘厳
第八章 中国における双塔伽藍の成立と展開
第一節 東晋・南朝における双塔伽藍の出現 / 第二節 北魏における双塔伽藍の出現 / 第三節 隋の双塔伽藍 / 第四節 初唐の双塔伽藍とその影響
第五節 唐代における双塔伽藍の変質
終 章 中国仏塔の成立と伝播
第一節 中国仏教寺院の黎明 / 第二節 仏教寺院の本格的受容 / 第三節 仏教寺院の変容と伝播

あとがき

索 引

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