近代人文学はいかに形成されたか : 学知・翻訳・蔵書
目次
序言
第一部 「学知」編制の系譜
「国文」から「国史」へ 廣木尚
明治期の「文学」研究とアカデミズム―国文学を中心に 陣野英則
日本の近代歴史学を世界に開く―朝河貫一の「比較封建制論」の意義 甚野尚志
近代における天正遣欧使節の再発見 伊川健二
日本の古典としての漢籍 渡邉義浩
近現代中国における碑刻調査―華北の事例から 飯山知保
戦後現代の文・史・哲と人文学の世界 新川登亀男
第二部 越境する言葉と概念─他者との邂逅
創造する翻訳―近代日本哲学の成長をたどって 上原麻有子
規範としての英文学―シェイクスピアの翻訳をめぐって 冬木ひろみ
日本文学の越境と交流―Anthologie Japonaise『詩歌撰葉』をめぐって 常田槙子
帝王切開と人肉食―日本の科学黎明期から見た人文学と「人間」 橋本一径
文明・市場・データ―近代の遺産と人文学の現在 パトリック・シュウェマー
第三部 蔵書形成と知の体系
早稲田大学の蔵書形成と知の体系―ルートヴィヒ・リースの旧蔵書を中心に 雪嶋宏一
日本の東洋学における太平洋史研究の構築に向けて―東洋文庫所蔵史料の可能性 牧野元紀
中国の近代大学図書館の形成と知の体系―燕京大学図書館を例として 河野貴美子
英国四大図書館の蔵書形成と知の体系 小山騰
米国における日本語蔵書の可能性―米国議会図書館所蔵の戦前戦中検閲資料から 和田敦彦
あとがき 甚野尚志